冬の夜空に輝く宝石と奥深い物語|大三角形とダイヤモンド

  • 2026/01/01
  • 銀河系
冬の大三角形とダイヤモンド

冬の夜は空気が澄み渡り、星たちが一段と輝きを増す季節です。
「都会は明るすぎて星が見えない」と思っていませんか?
実はこの時期、少し明かりを避けるだけで、誰でも簡単に見つけられる巨大な星の目印があるのです。

ふと見上げた冬の夜空。そこには、古代の人たちが描いた壮大なドラマが広がっています。
今日は、冬の夜空の主役「冬の大三角形」「冬のダイヤモンド」をご紹介します。

目次

– 冬の夜空のガイド役「冬の大三角形」
– 夜空を一周する巨大な「冬のダイヤモンド」
– 古代の想像力が彩る冬の夜

冬の夜空のガイド役「冬の大三角形」

冬の南東の空
冬の南東の空

晴天の夜空を眺めると、南東にうっすらと流れる天の川が見えます。
それからいくつかの明るい星。
ここに冬の大三角形と大六角形があります。

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【オリオン座】月の女神に射殺された、悲劇の狩人

オリオンとペテルギウス
オリオン座 illustAC

南東の夜空に斜め3つ並んでいる明るい星があります。
これはオリオンのベルトです。 このベルトの上下に台形を配置するとオリオン座になります。

オリオンは凄腕の狩人で月の女神アルテミスと恋仲でした。
これをよく思わないアルテミスの兄、アポロンのたくらみにより、アルテミスは事もあろうに海を泳ぐオリオンを弓の的と間違えて射殺してしまいます。
アルテミスは嘆き悲しみ、父ゼウスに頼んでオリオンを星座にしてもらいました。

オリオンのベルトを左下へ辿ると、全天で最も明るく輝く星シリウスが見つかります。

【おおいぬ座】永遠に運命を追い続ける天空の犬

おおいぬ座とシリウス
おおいぬ座 AdobeStock

シリウスを口元に持つおおいぬ座には、名犬ライラプスの伝説があります。
「どんな獲物も逃がさない」という運命を持つライラプスは、ある時「誰にも捕まらない」という宿命の化け物狐・テウメッサを追うことになります。

ライラプスとテウメッサ
左:ライラプスと右:テウメッサ
AdobeStock

「絶対に捕まえる」vs「絶対に捕まらない」

矛盾した二頭の追いかけっこは永遠に終わりません。
これを見かねたゼウスは二人を石に変え、功績のあったライラプスを星にしました。
▼ ライラプスとテウメッサの神話は別記事で書いています。

そしてシリウスの左上、少し控えめに輝くのがこいぬ座のプロキオンです。

【こいぬ座】主人の死を知らず、待ち続けた忠犬

こいぬ座とプロキオン
こいぬ座 illustAC

こいぬ座のモデルは、主人アクタイオンを待ち続ける猟犬メランポスです。
アクタイオンは名狩人で50匹の猟犬を引き連れており、メランポスはそのうちの一匹です。
ある日アクタイオンは女神の入浴を覗いてしまい鹿に変えられ、不運にも獲物と認識した自分の猟犬たちに食い殺されてしまいます。

その後、メランポスは帰らぬ主人を恋しがり、ずっと待ち続けました。
その忠誠心に心を打たれた女神が、彼を星座にしたのです。

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ベテルギウス・シリウス・プロキオンが作る大三角形

冬の大三角形
冬の大三角形 AdobeStock

ベテルギウス・シリウス・プロキオン
この3つを結ぶのが「冬の大三角形」です。

夜空を一周する巨大な「冬のダイヤモンド」

大三角形からペテルギウスを除いたシリウス、プロキオンは6つのうちの2つにあたります。
このシリウスから反時計回りに夜空を辿ってみると、巨大なダイヤモンドが姿を現します。

碧のリゲルと橙のアルデバラン

六角形の3点めは、オリオンの服の裾にあたるリゲルです。
リゲル、クールでかっこいい名前の星ですね。

リゲルとアルデバラン
左:リゲル、右:アルデバラン
ShutterStock

そしてリゲルの右上にオレンジ色に輝く明るい星があります。
これが4つめの星、おうし座のアルデバランになります。

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【おうし座】牡牛に姿を変えたゼウス

おうし座とアルデバラン
おうし座

おうし座にはこんな神話があります。
美女エウロパに恋をしたゼウスが、牡牛に姿を変えて彼女を誘拐し、クレタ島で愛を交わしました。
クレタ島から世界は広がり、エウロパは「ヨーロッパ」という地名の語源になりました。

アルデバランは牛の額のあたりに位置しています。

アルデブランの延長上に、明るい星があります。
これはぎょしゃ座のカペラで5つめの点になります。

【ぎょしゃ座】足が不自由だった馬車の達人、エリクトニオス

ぎょしゃ座とカペラ
ぎょしゃ座

この星座にも面白い物語があります。
生まれつき足が不自由(半身が蛇)だった王・エリクトニオスが、自ら発明した4頭立ての馬車を操り、戦場で大活躍しました。彼はその死後、天に上げられ星座となりました。

6つめは、ふたご座のポルックスになります。

【ふたご座】永遠に離れない兄と弟

ふたご座とポルックス
ふたご座 AdobeStock

ふたご座には、悲しくも美しい物語があります。
ふたごの兄カストルと弟ポルックスはとても仲の良い兄弟で、武芸に秀でていました。
しかし、弟のボルックスが神の血を受け継いで不死身だったのに対し、兄は人間でした。
戦いで死んでしまったカストルに「離れたくない」と願ったポルックスは、自身の命と引き換えに不死身の命を兄に与えました。
感動したゼウスは二人を天に上げてふたご座としたのです。

冬の大三角形とダイヤモンド
オリオンを中心とした大三角形と六角形
illust AC

プロキオン→シリウス→リゲル→アルデバラン→カペラ→ポルックスをつなぐと、冬のダイヤモンドになります。

古代の想像力が彩る冬の夜

Blog pic
星と神話を結び付ける古代ギリシャ人たち

いかがでしたか? ただの光の点に見える星も、その背景にある物語を知ると、愛着が持てますね。

冬の寒さは厳しいですが、その分、空にはダイナミックなドラマが広がっています。
今夜、もし晴れていたら防寒対策をして、少しだけ夜空を眺めてみてください。
数百年、数千年前の人々と同じ景色を見ていることに、きっと心が震えるはずです。

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